2017年10月19日木曜日

BLADE RUNNER 2049 ネタバレありの感想

ネタバレなしの感想(こちら)に引き続き、ネタバレしまくりの感想も書いていたら、えらい長くなってしまいました。

なお、お話そのものの感想というより、キャストそれぞれについての感想や、観たあと考えてしまったことなどについて、好き勝手に書いてます。

あらすじはウィキに詳しくあります:
ブレードランナー 2049(←「ストーリー」の項目に飛びます)

くどいようですが、ネタバレなしの感想にも書いたように「1982年公開の前作」を観てからの鑑賞をおすすめします。

オリジナルのあらすじはウィキでも確認できます:
ブレードランナー(←「ストーリー」の項目に飛びます)

※10/20追記※
ふと思ったこと。

私も夫も前作の公開時は子どもだったのでリアルタイムでは観ておらず、大人になってからテレビで観たので当時のインパクトは想像するしかありません。
作品への思い入れが強いわけでもありません。

そんなわけで、「前作のファン」とは違う目で観てるのかなという気がします。

だから(?)純粋に映画として、よくできてるしおもしろいと思ったのですが、前作のコアなファンの方が観たらどう思うのか…そこらへんよくわかりません。

また、くどいほど「前作を観てから」観たほうがいいと書いてきましたが、前作を観ず(見直さず)まっさらな状態で観たらまた違った感想があるのかもしれないので、本作をまず観たあとで前作を見直すっていうのもアリかなという気がしてきました。(^^;


以下、ネタバレしまくりの感想です。
映画を観たあとで読んだ方がいいかも。




本作はざっくり言うと、オリジナル映画の出来事から30年経った「2049年」のお話という設定で、前作同様、アンドロイド(レプリカント)狩りをするブレードランナーを中心にいろいろ起こります。

前作(2019年の設定)のブレードランナー(ハリソン・フォード演じるデッカード)は人間だったはずですが、「2049年」のブレードランナー、「K」(ライアン・ゴスリング)は最初からK自身もレプリカントという設定。

まさかデッカードもレプリカントなのだろうか…。

以下、登場人物についてのコメントに混ぜて感想を書いていきます。
(人名のカタカナ表示はウィキに従いました)


※映画を観る前に読むと映画がつまらなくなるかも的なネタバレ含む






<主要人物>

ヨーロッパで撮影されたためか、国際色あふれるキャスティング。アメリカ人以外はカッコ内に記しています。ちなみにドゥニ・ヴィルヌーヴ監督自身もカナダ人。前作の監督であり本作の製作総指揮をつとめるリドリー・スコットは言うまでもなくイギリス人。

●K(レプリカント)…ライアン・ゴスリング(カナダ人)

『ラ・ラ・ランド』では一般的な高評価に反して私は「いまいち」な印象を受けてしまったライアン・ゴスリング、この映画のKという役柄には彼はぴったりだったと感じました。

Kが「自分がデッカードの子どもなのでは」と疑い出して感情をあらわにするシーンなど、秀逸だと思いました。

●Kの上司(人間)…ロビン・ライト

最初どちらか言うと厳しく冷たい印象を受けたのに、ラヴの脅しにも動じずKをかばい切って殺されてしまうのが意外かつ拍子抜けしました。なんでもっと抵抗しないんだろうって。

●ジョイ(プログラム)…アナ・デ・アルマス(キューバ人)

Kとの絡みや、ジョイを失ったKの悲しみ(?動揺?感情ないはずだけど…)を見てると、Kがレプリカントだということを忘れてしまいます。

SF好きの人はジョイみたいな存在、かっこいいとかクールとか思うのかもしれないんだけど、残念ながら私はジョイの存在ってこのお話に必要だったんだろうかと疑ってしまいました。プログラムなのになんで感情を持つんだろうとか、ジョイの仕組みがよく理解できなくてハマれなかったせいかも。

●ウォレス(人間)…ジャレッド・レト

ライアン・ゴスリングも楽しみだったけど、それ以上にジャレッド・レトの活躍が楽しみだった私としては、期待したよりスクリーンタイムが少なくてちょっとがっかり。

本編公開の前に発表されていたらしい「前日譚」シリーズのひとつにウォレスが登場するので貼っておきます:


2036年の設定、つまり新作の13年も前の話のはずなのに、見た目ぜんぜん変わらないウォレスって…もしや彼もレプリカントだったりして(笑)。

●ラヴ(レプリカント)…シルヴィア・フークス(オランダ人)

冷たい表情を崩さないラヴ、まさに冷血漢。…のわりに涙を流したりするってことは、やはり感情があるってこと?最後にKと戦うシーンはまるでターミネーターのようで、真剣なシーンなのにちょっぴり笑えてしまった…(^^;

●フレイサ(レプリカント)…ヒアム・アッバス(イスラエル人)
●マリエッテ(レプリカント)…マッケンジー・デイヴィス(カナダ人)

フレイサはKを助けたレプリカント解放運動のリーダー、マリエッテはそのメンバー。

実体のないジョイの代わりに雇った娼婦マリエッテがKのジャケットに発信器をつけていたときは、てっきりウォレス/ラヴの回し者かと思ったけど、そうではなく、解放運動の仲間にしたかったってことかな。そのおかげでKは助かりました。

●デッカード(人間?)…ハリソン・フォード

彼の登場するシーンが予告編に出ちゃってて、完全なるネタバレなんだけどー!(笑)

それはともかく、撮影直前に事故にあったりして体調が万全ではなかったせいなのか、なんだかとっても年を取ったなあと思ってしまいました。

それでも、現在75歳という年齢を考えればそうとう頑強なんでしょうね。共演したライアン・ゴスリングが『エレン』で「(まちがって)ハリソンのこぶしが実際に当たってしまい、そうとう痛かった」みたいな話をしていたので、今でも自分でアクションをこなしてるってことですから。

ちなみにデッカードも、物語の中盤?後半?まで出番がなく、しかもたいしたことはしない、というか、ウォレスにあっさり捕まってKが助けてくれるのを待ってるだけで、正直ほぼ役立たず…(あっ言っちゃった)。

そこがちょっと物足りなかったですが、あくまでも主役はKですからしかたないですね。

●アナ・ステライン博士(人間)…カーラ・ジュリ(スイス人)

ネタバレしちゃうと、「自分がデッカードの子どもだ」と確信してしまったKの「思い出」は、じつはアナの記憶だった、というオチ。

私も夫も完全にだまされて、途中まですっかり「Kは人間」と思い込んでしまってました。

しかし、「だとしたらとっくに死んでるんじゃない?」みたいな怪我をしてるわけで、それはどうなのと思ってたのですが…

Kがアナのところを訪れたとき、アナがKの頭の中をのぞいて(?)「これは実際にあったことよ」と断言して涙を流すシーンで「なんで泣くんだろう」とちらっと思ったのですが、Kが「自分がデッカードの子じゃない」と知って今までのことを走馬灯のように思い出したとき、そのシーンも出てきて「ああ、彼女がデッカードの子なんだな」とわかりました。

あのとき泣いたのは、それが自分の記憶だから。
だからこそ「実際にあったことだ」とはっきり明言できたのでしょう。

ラストはデッカードが研究所(?)のアナを訪れるところで終わり。
ふたりの会話が観たかったなああああ。


<「あっ!」と思わず声を出してしまった意外なキャスト>


●サッパー・モートン(レプリカント)

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのドラックス役で有名なデビッド・バウティスタでした!

彼、「どこかで見た顔だなあ」と最初わからなかったほど、ドラックスとは全く別人のようです。

ちなみに、「前日譚」シリーズのひとつで「2048年」のモートンが主役の短編がこちら:


けっこう激しい暴力シーンがありますが、本編はこれ以上に激しかった…

●ミスター・コットン

こちらは出てきたらすぐにわかる、レニー・ジェームズ(イギリス人)!
私にとってはTVドラマ『ウォーキング・デッド』のモーガンですが、ブレードランナーの彼はモーガンとはぜんぜんイメージ違いました。ほとんどカメオ的なくらい、ちらっとしか出ないのが残念。

●ドク・バジャー

『キャプテン・フィリップス』で有名になったソマリア人のバーカッド・アブディが、(たぶん)母国語でちらっとだけ登場。前作にもよく似たシーンがあるので、もしかして前作へのオマージュ?


<完全にオマージュだよねというお二人>


●ガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)
●レイチェル(ショーン・ヤング)

ほんのちらっとだけですが、ガフは年を取った状態で登場。彼のシグネチャーである(?)折り紙が、本人の登場する前に出てきて「あっ!」と叫びそうでした(笑)。

レイチェルは過去の録音(前作に登場したのと同じもの)がちらちら出てくるので、それだけかと思ったら…なんと30年前のレイチェルそのままの姿で登場。

デッカードを丸め込むためにウォレスが作らせた別人レプリカントなんですが、ニセモノっぽくないので「いったいどうやって撮影したの?!」とビックリしました。

あとで調べたら、やはり体は別人が担当(ってヘンな言い方ですが)してるそうです。声はショーン・ヤングだと思いますが、顔はデジタル処理したんですかねえ。


レプリカントの謎


さて、デッカードとレイチェルの子どもが存在する、という前提で話が進んで行くのですが、私はそれが「デッカードは人間」だという証拠だと思いながら観ていました。

さすがに2人ともレプリカントだったらムリでしょうと勝手に思ってて。

しかし、「レプリカント同士でも子どもが作れる」という証拠になるんでは、というのが夫の意見。だからウォレスはレプリカントだけで繁殖できるようにしたいのでは、というのですが…。

いずれにせよレプリカントに生殖機能があるっていうのは、よくよく考えるとすごい設定ですよね。

人間の卵子や精子をいったいどうやって人間が作るんだろうか。

それとも卵子&精子バンクとかに提供されたヒトの卵子&精子を複製してレプリカントの体内で冷凍保存しておくとか?

たとえそれが可能だとしても、受精卵を育てる必要があるから、女性レプリカントの体内に人工子宮を作っておかねばならない。

もしくは、ウォレスは「レプリカントだけで子どもが作れる」と思ってるんだろうか。

しかし、デッカードが何を知ってるっていうんだろう、捕まえても無駄でしょうにね。実際、レイチェルの複製を見せられても協力を断ってたし。

というか、解放運動のメンバーたちもレプリカントなわけだけど、子どもが産めたのはレイチェルだけなんだろうか。そのへんのこと、何か話に出てたかどうか今は覚えてないのですが。


本作にも登場する日本語。


オリジナルの2019年の世界でも日本語や中国語が飛び交っていましたけど、30年経ったらなんと「ロス警察」みたいな文字が日本語で書かれていてビックリ!(ほかにもあったと思うけど、もう忘れちゃった…)

前作は日本語を勉強してるアメリカ人が書いたの?みたいな、外国人の手書きみたいなのだったと思うけど、今回はちゃんと日本のフォントを使ってる感じでうさんくささ激減。

なぜにいきなり?という謎は残りますが、日本人としては嬉しいです。






どうでもいいことですが、どうせなら35年前に作られたオリジナルの設定「2019年」まであと2年。それまで公開を待てばおもしろかったかもという気がしないでもないです。もしくは1982年の30年後である2012年に公開しとけばよかったのに、みたいな。

「35年前の映画」だけど「あれから30年後」という設定なので、ちょっぴりそこがこんがらがってしまうのでした(笑)。


それにしても日本の公式サイト↓かっこいい!
http://www.bladerunner2049.jp/

英語の公式サイト↓がシンプルなのに比べ、めっちゃ凝ってます。
http://bladerunnermovie.com/

日本版予告編↓

そもそも予告編がネタバレだらけなんだなあ〜。


Posted on Thursday, October 19, 2017

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3 件のコメント:

  1. 記事は冒頭部しか拝見してませんが(あとは我慢してますぅ~(笑)。見たいなぁー!!!)、
    IMDbでの評価も気になったので見てみましたら、
    レーティングの点数は高い方なんですけど、個々のレヴューをサラッと見ましたら、割とバラツキがあって極端な低評価も少なくないんですよね。
    これは僕が思うには1作目の呪縛というか、1作目への愛着やこだわり、思い入れが強くて続編に拒否反応を示す人の思いが表れたものではないかと思うんですよ。
    ...って、実は僕自信にそういうところがあって、こう思ったんですけど、
    1作目が個人的にはパーフェクトな作品だったので、続編を望む気持ちは湧かなかったですし、
    あの面白さを引き継げる製作陣を集めるのは、まず無理だろうなぁーって思ってますから。

    で、そういうこともあって、1作目が足かせとなってないチョココさんの感想、拝見できる日が待ち遠しいのでありますよ。

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    1. じゃとむさん、コメントありがとうございます!
      じゃとむさんのコメントを拝見して、ふと思うことがあったので記事のほうに追記しました。

      追記分に書いたとおり、私は前作のコアなファンというわけではないので、私の感想はじゃとむさんの参考にならないかも…です…ごめんなさい(´▽`;)

      私自身は、1作目を観たすぐあとに2作目を観たのがよかったと思ってることは事実ですが。実際、映画としての出来は「よい」と断言できます。
      ターミネーターやエイリアンの2作目がよかったのとは別の意味で、ですけど。(1作目と2作目でジャンルが変わってしまった気がするんですよね)

      ちなみに私の感想記事、ものすごいネタバレを書いてしまっているのでアレですが、貼っているYouTube動画(「前日譚」2つ)は事前に知ってたらよかったなあと思ったので、よかったら記事だけすっ飛ばして動画だけご覧になってみてください。じゃとむさんならすでにご存じかもしれないのですが。

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    2. あ〜ごめんなさい、私じゃとむさんのコメントを読み違えてました。
      私の感想が参考になる、というわけじゃなくて、1作目の足かせがない私の感想を読んでみたいという意味ですね!ひえ〜、勘違い。

      そうですね、まさにおっしゃるとおり、前作の大ファンってわけではない私の感じた感想、ぜひ、本編をご覧になったあと読んでみて下さい。つっても、全体の感想というより、思うことをだらだら書いてるだけですが…(まだ書き足りないけど長くなりすぎたので途中で断念してるし)

      逆に、前作ファンのじゃとむさんの感想もとっても興味あります^^

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