2017年1月20日金曜日

Arrival(邦題:『メッセージ』)

SAGでもゴールデングローブでも主演女優賞にエイミー・アダムスがノミネートされた "Arrival(邦題『メッセージ』)" をゆうべ観ました。

字幕なしで観たのでちょっとわかりづらい部分もあったけど、これは全部わからなくてもだいたい話が追えました。

日本でも5月に公開されるということで、日本語の予告編も見つけました。が、これ観ちゃうとつまんなくならないのかなあ…と、本編観てから予告編観た私は疑問に思います(^-^;

ネタバレ絶対イヤな方は予告も観ない方がいいかも↓




私はタイトルから「SFっぽい」ものを期待しつつ、エイミー・アダムスが出てることくらいしか知らずに観たので、ジェレミー・レナーが出てきたのは嬉しいサプライズでした。

ちょっとペースがのろのろしてて(全体的になんかアーティスティックな雰囲気)眠くなりそうだったものの、後半がっとおもしろくなりました。全体的によくできたお話だとは思うけど、娯楽性には少し欠けるかなあ。

ジャンルが違いますがあえて『ラ・ラ・ランド』と比較すると、映画としての完成度はこっちのほうが高いかもしれない。ストーリーはともかく(←あれ?)娯楽性に富んだ『ラ・ラ・ランド』のほうが個人的には好みですけどね。

とりあえず、中だるみする部分があるので眠くない状態で観た方がいいです(^-^;



以下、ネタバレ含むのでご注意。




後半おもしろくなるのは、テンポがよくなるのもあるけど、冒頭部分に戻って最初から見直したくなる類いのひねりがしだいに明かされていくところ。そんな「ひねり」が隠されているなんて、最初まったく読めなかった。

故意に観客から隠していたであろう、ある「真実」がわかると、それまで退屈していたのがうそのようにお話に引き込まれてしまいました。

1998年の小説(『あなたの人生の物語』)をもとにしているので、原作を知っている人には秘密じゃないんでしょうけどね。


ここから先は、原作を知ってるか、映画を観た人以外が見ちゃうとつまらなくなるかもしれない重要なネタバレを含むので改行します。








ルイーズ(エイミー・アダムス)が白昼夢(?)に出てくる娘のことを「あの子はだれなの」ともらした瞬間、それまでかかっていた霧が晴れたように「"娘"との時間は、これから起こる未来のことだったのか!」とピンと来て、衝撃を受けました。

冒頭、ルイーズの出産から話が始まり、大きくなった娘が病気になって(おそらくガン)死ぬところまで一気に見せるんですが、そちらのほうがエイリアン騒動よりあとに起こったことなんですね。

ルイーズのルックスが全く変わらず、年を取ったり若返ったりしたように見えないので完全にだまされました。

エイリアンたちの言っていた "You have weapon. Use weapon(きみには武器がある。武器を使え)." の "weapon" が、実は彼らの言語のことであり、それを学ぶと時間の流れが(彼ら同様に)違って見えるようになる=未来の出来事がわかる、というのですから、これは今までのSF映画では(私は)見たことがない設定。まるで想像がつかなかったです。

そこがわかると、あとは簡単。

エイリアンたちの言語を理解し始めると同時に、ルイーズは過去ではなく未来のフラッシュバックを見るようになっていたんですね。

それで、過去のフラッシュバックだと思い込んでいた娘との会話の内容が次々クリアに。「科学のことはお父さんに聞きなさい」と言っていたのだから、「お父さん」はイアン(ジェレミー・レナー)なんだろうとか、「お父さんが去った理由」は「娘がいずれ死んでしまうこと」を話してしまったんだろうとか。

そんなことに思いを寄せつつも話は進んで行き、「いずれ死ぬ」とわかっている娘を生み育てるルイーズと何も知らない夫との幸せな生活が映し出されるラストが切なかった(;_;)


以上、ネタバレ終わり。

小説のほうも気になります。ハヤカワ文庫から出てるので、いつか読んでみたいな。


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"Arrival"
Based on "Story of Your Life" by Ted Chiang
原作: テッド・チャン『あなたの人生の物語』
監督: Denis Villeneuve(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)
出演: Amy Adams, Jeremy Renner, Forest Whitaker
(エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー)
2016年11月北米公開
2017年5月日本公開
公式サイト(英語): http://www.arrivalmovie.com/
公式サイト(日本語): http://www.message-movie.jp/
ウィキ(英語): Arrival (film)
ウィキ(日本語): メッセージ(映画)


Posted on Friday, January 20, 2017

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2 件のコメント:

  1. この映画の監督、高い評価を得ているところへブレードランナー続編の監督に起用されて非常に注目されてますよね~

    この監督作のプリズナーズを観たことがあるんですけど、
    緊迫した物語が、物静かでどこか気だるげな雰囲気の中、進んで行くんですよね。
    サスペンススリラーなのか、シリアスな人間ドラマなのか判然としないまま話が進んで、終わって振り返ってみると娯楽作だったという印象でした。
    そういう点では今回のArrivalも判別しづらい映画のようですね。(あくまで冒頭の感想だけ読んでの見解ですが)

    こうした特定のジャンルの枠にはまらない映画を撮るということでブレードランナー続編の監督起用となったんじゃないでしょうかね~

    この監督作、他にも面白そうなのがたくさんあるので観てみたいですね!

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    1. じゃとむさん、コメントありがとうございます^^
      ブレードランナー続編の監督ですか…
      この人、カナダ人ということしか知りませんでした(´▽`;)
      (撮影もカナダのモントリオールで行われています)

      私はたぶんこの監督の作品はこれしか観てないんですが、じゃとむさんのご覧になった映画も「もの静かでけだるげな雰囲気」というのでしたら、この映画と似てるかも。それがこの監督の作風なんですかね。だとするとブレードランナー新作もそんな感じになりそうですね。

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